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2014/12/05

ストレスホルモンが骨を破壊する



老化に伴って量が変化するホルモンは生殖ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン、テストステロンなど)だけではありません。FSHLHが高くなり、コーチゾル(通称ステロイド)と呼ばれるストレスホルモンも高くなりますが、成長ホルモン、DHEA、インシュリン様増殖因子、インヒビン、甲状腺ホルモン、等々、ほとんどのホルモンは30代中頃から低下し始めます。
いろいろある中で、破壊力で知られているホルモンはコーチゾル=糖質コーチコイド=通称ステロイドです。そして、コーチゾルは老化に伴って増加することも知られています。
コーチゾルの分解作用
コーチゾル=糖質コーチコイド=通称ステロイドの破壊的な分解作用は良く知られている作用です。その作用は骨ばかりでなく筋肉あるいはたんぱく質一般に及ぶことが知られています。エピネフリン=アドレナリンとグルカゴンも分解作用を持つホルモンとして知れれています。
コーチゾルは、閉経前後の数年間、生理が不順になり、更年期障害が最も顕著になるときに特に増加します。
毎日の生活で直面するチャレンジに対して、冴えた頭で力強く立ち向かい、痛みを感じないようにしてくれるのがコーチゾルです。しかし、それには代償が伴います。私たちの体は、そのような状態を何日も維持できるようには作られていません。まして、何週間、何ヶ月間、何年間にも渡ってそのような状態が続くと破壊的な作用は無視できなくなります。更年期になると、大多数(ほぼ90%)の女性は、更年期障害に苦しみ(Bresilda Sierra, et.al. 2005)、そのストレスでコーチゾル、アドレナリン、ノルアドレナリンのレベルが高くなることが観察されています (Pituitary hormones during the menopausal hot flash. D R Meldrum, J D Defazio, Y Erlik, J K Lu, A F Wolfsen, H E Carlson, J M Hershman, H L Judd, 1984. Biophysical and endocrine-metabolic changes during menopausal hot flashes: increase in plasma free fatty acid and norepinephrine levels. M Cignarelli, E Cicinelli, M Corso, M R Cospite, G Garruti, E Tafaro, R Giorgino, S Schonauer. 1989)。もちろん、それは更年期障害を避けるための工夫を何もしない場合のことです。これは更年期障害の研究のジレンマでもあるわけです。更年期障害を避けるための工夫を何もしないことに同意する女性を集める必要があり、倫理的にも、被験者の偏りと言う観点からも問題が出ます。
「コーチゾル(通称ステロイド)には強力な抗炎症作用と免疫抑制作用があるので、さまざまの疾病に適用されていますが、インシュリン抵抗、高血圧、緑内障、骨粗鬆症など多くの代謝性副作用があることも知られています。長期のステロイド使用による骨粗鬆症は通常、回復不可能であり、その結果が背骨その他の骨折となって発現する、最も恐ろしい副作用です」(Advances in glucocorticoid-induced osteoporosis.Debby den Uyl, Irene E M Bultink, Willem F Lems, 2011)
このメカニズムは細胞レベルで解明されていて、コーチゾルは溶骨細胞(骨吸収を行う細胞)を温存する一方で、造骨細胞と骨細胞(骨の成熟と石灰化に関わる細胞)を減少します。さらに、コーチゾルは消化管からのカルシウムの吸収を妨げ、腎臓のカルシウム再吸収機能を抑制することによって骨代謝を阻害します。
骨シリーズ
  1. 骨の健康:更年期に何が起きるのか
  2. 骨を弱くする嘘つきビスホスホネート系薬剤
  3. エストロゲン・パラドックス
  4. 骨の維持とプロゲステロンの役割
  5. ストレスホルモンが骨を破壊する  <<現在のページ
  6. 更年期のエストロゲン補充が骨に役立つ理由
  7. お粗末な天然プロゲステロン研究の現状
  8. 骨質も骨量と同じだけ重要
  9. 骨の健康を維持するための基本


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