栄養剤を販売していた知人に「天然プロゲステロンを使う必要がありますね。」と言われたとき、「でも、私には子宮がないし、医者には。。。」と言いかけたところ、「これを読んでください。」と数ページの印刷物を渡されたのは1998年の春でした。題名を読むと天然プロゲステロンに関する情報を要約した文書のコピーであることがわかりました。家へ持ち帰って早速読んでみると、もし本当なら、それは大きなスキャンダルになってしかるべき現代医学の誤りとの取り組みでした。その影響の大きさと医者も含めて一般に伝わっている情報の少なさという落差を考えると、それは単なる見過ごされた誤りというより、組織立った「陰謀」の臭いがしました。それに比べれば、ビル・クリントンとヒラリー・クリントン大統領夫妻に仕掛けられた「膨大な右翼の陰謀」などは子供の遊びに見えるといってもいいかもしれません。Women's Health Initiative (WHI) という更年期のホルモン補充(擬似黄体ホルモンと馬のホルモンを使った)に関する大規模な臨床実験でその危険性を証明するショッキングな中間結果が出たため、途中で打ち切られたというニュースが世界を駆け巡ったのが 2002 年でしだから、その4年も前のことでした。
WHI の更年期ホルモン補充の臨床実験では、プレマリン(妊娠している馬の尿から抽出したエストロゲンを主体とするホルモン) とプロベラ (メドロキシプロゲステロンアセテートという擬似プロゲステロン) の組み合わせ経口ホルモン剤を使用した女性のグループは偽薬を与えられたグループに比べて、乳癌、脳卒中、心臓発作、肺血栓、血栓を患う割合が異常に高くなることが判明したため、10年の予定だった実験を5年半で打ち切りました。(翌年の2003年には、同じ実験で子宮がないのでプレマリンのみを与えられたグループの実験も同様の理由で打ち切られました。こちらは脳卒中と痴呆が主なリスクとして浮き上がっています。同時期にNational Cancer Institute (NCI) が行った研究ではエストロゲンのみを長期にわたって使用したグループでは卵巣癌のリスクが高くなることが判明しています。)
実際には、製薬会社も含めて、事情に通じた人にとっては、この結果はまったくショッキングではなかったばかりか、「やっぱり」とか「だから言ったでしょ」という類の出来事でした。多くの副作用は薬の注意書きにも記載されていたものです(医者や患者がそのリスクを十分理解できるような注意書きだったかどうかは別の問題としても)。長年に渡って何百万ドルもの税金をつぎ込み、何万人もの女性に危険な薬物を投与し、その危険性が判明した後も、そして多くの人にとってそのニュースがショッキングだったにもかかわらず、速やかにその危険な薬物も、それを使ったいわゆる「標準HRT」も禁止するようにという声が聞こえてこなかったのはなぜかといぶかった人も多いはず。
それどころか、従来の「標準HRT」をあきらめきれない連中は、臆面もなくダメージコントロールに転じたのです。彼らは WHI の更年期ホルモン補充の臨床実験データを不利な結果に結び付く被験者を分析から除外して「分析し直す」という実験科学の原則に違反することまでして、擬似ホルモンが安全であることを「証明」しようとしたのです。曰く、高齢者を実験から除外して分析すれば(比較的健康な若い人だけを分析すれば)危険は統計的に有意な結果にならない。だから、医者が閉経期の女性に従来どおり擬似ホルモンを使った「標準HRT」を処方することに問題はない、5年半でリスクがはっきりしたのだから4年以内なら大丈夫など、統計の読み方さえまったく理解していないことを暴露する議論で現状維持を正当化しようとしているのです。さらに、擬似ホルモンに比べて天然(生体同一)ホルモンが安全であることを証明した「大規模の」実験もないから、天然ホルモンに切り替えても事態は改善しないと主張する戦術を展開し出したのです(North American Menopause Society 2008 Position Statement[3] 参照)。日本では欧米の実験結果は日本人には当てはまらないなどという詭弁を弄する権威が幅を利かせています。もちろん多くの女性はそのような詭弁に惑わされるほど馬鹿ではありません。乳がんに限ってみれば、その危険性は分子生理学レベルで解明されているのです。
アメリカでは従来のいわゆる標準HRTの処方が以前の1/3に減少して、それが乳癌の発生率減少に敏感に反映されています[4]。エストロゲン補充の需要のみを見ると、2003年から2008年の間に、エストラジオールの使用が22%から35%に増え、プレマリン(馬のホルモン)錠剤の使用が53%から35%に減ったと医療情報会社のIMS Health が報告してます[5]。フランス[6]でもブラジル[7]でも本物のプロゲステロンの安全性を示すデータに基づき、その使用を奨励する方向に動いています。アメリカの医者は医学誌に載せられる記事や学会の声明[8]、製薬会社から報酬を受け取ってセミナーなどで講演する同業医師による偏った情報に頼っているので、いまだに危険であることが証明された擬似ホルモン剤を平気で処方している医者がたくさんいます。一方、患者が経皮形態の天然ホルモンの処方を要求する場合も増えていますが、活性状態の経皮ホルモンと従来の経口ホルモン剤の作用の違いを知らない医者が、必要な量の何倍、何十倍もの量を処方するので、患者はホルモンバランスの崩れでさらに苦しむことも少なくありません。アメリカ発の医学情報と製薬会社からの情報に頼っている日本の医者の意識もアメリカと大差ないようです。
歴史
ことの起こりは、一説によると、本物(人体同一)のホルモンを飲み薬として飲むとそのほとんどが「消化」されて、つまり胃腸や肝臓で代謝されて別の形のホルモンになって本来の効果が出ないことがはっきりしたため、製薬会社が効果的な投与形態(経皮)を検討する代わりに、本物のホルモンに手を加えて、代謝されにくい代用物質を製造するようになったということです。一つには、自然に存在しない人造物質には特許が付くけれども本物のホルモンには特許が付かないので、擬似ホルモンを売った方がお金になるという事実があります。黄体ホルモンに限ってみれば、擬似ホルモンが避妊や子宮の保護などの役に立つことが証明されたために、その使用が一般化しましたが、本物(人体同一)のホルモンが持たない副作用(発ガンその他)があること、本物のホルモンの持つ重要な生理作用を持たないばかりでなく、それを阻害するこということの重要さは無視されてきました。
もちろん、必要は発明の母ですから、本物のホルモンを効率よく投与する方法はすぐに解明されました。消化されないようにするには、別の経路-皮膚や血管-を使用すればいいわけです。皮膚からはさまざまな物質が吸収されます。幸い、プロゲステロン(本物の黄体ホルモン)は米国では安全性の高いホルモンの一つとして医薬部外品として販売されてきましたから、プロゲステロン・スキン・クリームやオイルが健康食品と並んで市販されるようになりました。歴史的に見ると、すべてのステロイド/性腺ホルモンは本物も偽者も、処方薬扱いになっているものもなっていないものも、大規模の臨床実験による効能や安全性の実証が行われずに販売が許可されてきました。WHIの大規模な実験はいわゆる「標準ホルモン補充療法」の女性の健康に与える影響の重大さを認識して行われた初めての大規模なホルモン補充実験だったわけです。
天然(人体同一)プロゲステロンは、小規模の臨床実験や、生理学からの知見、臨床の現場での成果を元に、Dr. John R. Lee[9]やDr. Kent Holtorf[10]を始め患者にその使用を勧める医者が徐々に増え、消費者の間でも口コミで情報が広がり、使用者が徐々に増加してきました。消費者や医者を納得させるのに大規模の臨床実験は必要ありませんでした。プロゲステロン・クリームは値段が手ごろで安全、使用方法も簡単なので、しばらく試してみれば、役に立つかどうかはすぐにわかります。故 Dr. John R. Lee が一般向けの『医者も知らない。。。。』シリーズの最初の本『医者も知らないホルモンバランス』を1996年に出版したときには、黄体ホルモン補充に適したプロゲステロン入りのスキン・クリームを製造販売する会社がすでに30社を超えていました[11]。
ところが、その人気に恐れをなしてか、やがて、プロパガンダ・マシンともいうべき一群の医者や研究者が、医学の学会誌にプロゲステロン・クリームはまったく効力がないという論文を発表しだしたのです[12] [13] [14]。 最初、彼らはプロゲステロン・クリームを皮膚に刷り込んでも血清のプロゲステロン・レベルが黄体期に見られるレベルに到達しないこと、そしてエストロゲンと組み合わせたサイクル投与で確実に出血を誘発できないことを示せば、一般の医者に効果がないと信じさせるに十分と確信していたようです。実験科学の観点から見ると、効果がないことを示す実験は効果があることを示す実験に比べると、悪魔の証明といわれ、原則不可能なだけでなく、実験の不備や手落ちを示している可能性を排除できないので非常に価値が薄いわけですが、科学者としての教育を受けていない医者が読者ですから、そこまで心配する必要はなかったようです。現在ではサイクル投与で生理を誘発するのが最も自然で健康に良いと「信じる」一部の医者がエストラディオール・クリームとプロゲステロン・クリームをサイクル投与用に使用しています。それを調合している薬剤師の名前を取ってWiley プロトコルと呼ばれているこのアプローチは、血清ホルモンのレベルを20~30代の女性のレベルまで上げるために、非常に高容量のホルモンを投与するようになっていますが、血清のプロゲステロン・レベルが上がらなかった、出血を誘発できなかった、などの結果を報告している過去の実験は、実験に不備があったことを示しているに過ぎないことは明らかです[15] [16]。
そのうち、更年期のホルモン補充療法の形態が、サイクル投与から連続投与に移行して、低レベルのエストロゲンと低レベルのプロゲステロンの組み合わせを連続投与すれば、更年期の症状を抑えるのに効果があるだけでなく、エストロゲンの刺激による子宮内膜の増殖(子宮ガンの原因)を抑えることができ、出血を誘発する必要もないことが明らかになったのです(D L Moyer et al. 1993[17])。低レベル経皮ホルモン補充の効果を調べた臨床実験については、「ホルモン: Dos と Don'ts」を参照。
さらに彼らに都合の悪いことに、ホルモン検出テストが放射性免疫測定法の使用によって飛躍的に進歩し、極微量の活性(遊離)状態のホルモンと血液内のホルモンのほぼ99%を占める不活性(結合)状態のホルモンを分けて測定できるようになり、唾液や毛細血管血液からも活性状態のホルモンを検出できるようになって、皮膚に塗った活性状態のプロゲステロンの体内吸収を明瞭に示すことができにるようなったのです[18]。でもそんなことぐらいで引き下がるような連中ではありません。今度は、唾液ホルモンテストは血清ホルモンテストとの相関が低いのでホルモンテストとして失格であるという詭弁で対抗してきたのです[19]。もちろん詭弁ですからそれをサポートするデータも論理も提示できるはずがありません。
唾液ホルモンテストはプロゲステロンが短時間で皮膚から良く吸収されることを示します[20]。血清ホルモンテストと相関しないホルモンテストは無効であるという議論には何の根拠もありません。むしろその反対に唾液ホルモンテストとの相関が低い血清ホルモンテストは無効であるという議論も可能です。実際に、血清ホルモンテストが体内のホルモンレベルの指標として信頼性がないことを示すデータがたくさんあります (Trévoux, et al. 1986[21], Sojo-Aranda et al. 1988[22], Friedler et al. 1999[23], Tavaniotou et al. 2000[24], C Ficicioglu et al. 2004[25])。
最後には嘘までついて故 Dr. John R. Lee を誹謗中傷し、プロゲステロンクリームの経皮投与は効果がないと主張する論文さえ出てくるありさまです[26]。面白いことに処方薬である膣座薬での経皮投与は問題なく、薬剤師が調合したクリームや処方箋なしで買えるスキンクリームだけが効果がないと彼らは主張します。故 Dr. Lee はリタイア後の半生を、プロゲステロンが女性の健康にいかに重要であるか、ホルモンバランスの回復と維持は市販のプロゲステロンクリームを使っていかに安全、安価、手軽に達成できるか、同時に、避妊薬やホルモン補充に使用されている擬似ホルモンやホルモン様の作用を持つ環境汚染物質がいかに女性の健康を害しているかを世界中の女性や医者に説明することにささげた町医者です。その活動がプロゲステロンクリームを売りたいがための宣伝と疑われるのを嫌って、故 Dr. Leeはプロゲステロンクリームの製造販売には一切手を出しませんでした。その事実-安全、安価、手軽、効果的、処方箋無用-が製薬会社や医学界にとっては収益に大きく影響する脅威であることは明らかですが、その手中にある研究者や医学者が自分の名誉も名声もかなぐり捨てて、似非科学を学会誌に発表し、セミナーなどでつじつまの合わないデータの解釈を敷衍し、危険なことが知られているホルモン補充方法の宣伝をしているのですから、その陰謀の奥深さが伺えます。(このような状況下では医学誌の質を維持するのは難しくなってきています。投稿された論文の著者がどこからお金や援助を受けたかを公開させることによって、歪んだ研究を排除しようとする医学誌も増えていますが、詭弁を弄する上記の論文ではそのような情報は公開されていないことも指摘に値することです。)
ステロイド/性腺ホルモンの投与形態の主流は今ほとんど従来の経口から経皮に移行してきています。プロゲステロンクリームがその先鞭を付けたわけですが、今日では、コーチゾンクリームを始めとして、エストロゲン、テストステロン、その他のホルモンが偽物も本物も、張り薬、塗り薬、ゲル、クリーム、オイル、座薬、スプレイなどの形態で補充や避妊の目的で処方薬としてまたは医薬部外品として製造販売されています。ですから、分子の大きさも分子構造も似通ったこれらのホルモンの中で本物のプロゲステロンのみが効果がなく皮膚から吸収されないと主張するには、なぜ本物のプロゲステロンのみが例外なのかを分子生理学レベルで証明し説明する必要があるのです。それ以外の議論は無効といわざるをえません。
中にはプロゲステロンクリームは役に立たないと主張し続けることはもはやできないと悟った人もいるようで、かれらは今度は逆に、本物のプロゲステロンの安全性を証明する実験データはないから、大規模の臨床実験で証明されるまでは、危険であることが証明された擬似プロゲステロン同様に扱うべきで、処方箋なしでは購入できないようにするべきだと言い出したのです[27] 。彼らの中からは、危険であることが証明された擬似プロゲステロンの販売禁止を要求する声も、本物のプロゲステロンの効果や安全性を検証する実験を呼びかける声も上がっていませんから、彼らの真の目的は医学の進歩でも患者の安全でもないのは見え透いています。彼らは FDA を抱き込んで、医者や一般人の本物のホルモンへのアクセスを製薬会社がパッケージした処方薬のみに制限する第一歩として、薬剤師が調合したエストリオール(本物のエストロゲンの一つ)を医者が処方できないようにする法律を制定しようとしたのです。これは幸い阻止されましたが[28] [29]、まだまだ油断はできません。
大規模の臨床実験が行われたホルモン製品は例のNIHによるWHIの臨床実験で使用されたプレマリンとプロベラのみです。他のホルモン剤・製品は本物のプロゲステロンも含めてすべてその効能や安全性を検証する「大規模」な実験は行われていません。それを逆手にとって、「大規模の」実験で検証されるまでは本物のプロゲステロンも危険であることが証明された、擬似プロゲステロンと同様の作用を持つと考えるべきだというのは、生理学も医学も無視したまったくの似非科学です。このような詭弁を弄してまで擬似ホルモンの使用を正当化する理由は、製薬会社がその市場を失い、損害賠償責任を問われているという背景を考えなければ理解できないことです。
詭弁を弄する連中と議論などしても無駄ですが、過去数十年にわたって、ホルモン補充の研究だけでなく、ホルモン分泌パターンの変化が健康にどのような影響があるか[30]が研究されてきました。動物を使った実験も細胞や分子レベルの研究もたくさんあります。まだまだ知られていないことがたくさんありますが、これまでの研究データを元に、個々のホルモンの作用や相互作用、ホルモンバランスを回復するための効果的で安全なホルモン補充方法を知ることができるのです[31] [32] [33](「ホルモン: Dos と Don'ts」も参照)。
アメリカの医学界の声明、The North American Menopause Society 2008 Position Statement[34] やThe Endocrine Society Re Position Statement On Bioidentical Hormones[35]を読めば、誰がホルモン補充療法に関する情報を誰の利益のためにコントロールしているかは一目瞭然です。危険であることが証明された擬似プロゲステロン(WHIの大規模な臨床実験で使用された Provera や Prempro で使用されているmedroxyprogesterone acetateを始めnorethindrone acetate、その他いろいろあります)と本物のプロゲステロンを区別しない味噌もくそも一緒にした議論が、危険な擬似プロゲステロンの販売を正当化し、製薬会社の利益を保護することに役立つのは明らかです(2004 年の同声明では natural progesterone の存在さえ無視されていた)。2004 年のBrazilian Society of Endocrinology and Metabolism[36] が出した声明にある「Whenever possible, one should use 17-beta estradiol, associated to natural progesterone(可能な限り、17-ベータ・エストラディオールとナチュラル・プロゲステロンを併用すべし)」と比較するとその歪みは一層明らかです。
一般の医者が頼りにしている情報源がそんな状態ですから、多くの医者はいまだに間違った情報を信じ、WHIの臨床実験の結果を前にして混乱したままです。一方、市販のプロゲステロンクリームを使って自分の健康は自分で守るという運動はWHIの臨床実験結果が発表される何年も前から口コミで徐々に広がっていたことです。従来のホルモン補充療法が危険であるという結果がはっきり出たあとは、非人体同一ホルモンの処方が以前の1/3に減少して、その影響が乳癌の減少としてはっきり現れるところまで行っています[37]が、一般消費者も医者もいまだに何が有効で安全かを知らされていないままです。それには、いわゆる権威の言葉を鵜呑みにして、独自に情報を検証しない報道機関の無能さも大きな要因になっています。
そんな中でThe Oprah Winfrey Show というテレビ番組では以前から、ホストのOprah Winfreyの個人的な体験を基に、人体同一(天然)ホルモンについて取り上げていますが、10年以上に渡って薬局で調合してもらったプロゲステロン・クリーム、エストラジオール・クリーム、エストリオール・クリームの組み合わせを使用しているという女優のSuzanne Somersをゲストにした番組[38] [39]に対するNewsweekの記事[40]に大手報道機関の典型的な態度を見ることができます。独自の科学的な調査を抜きにして、その番組に対する批判が多くの医者から寄せられたというだけで、Suzanne SomersとOprah Winfreyが提供するホルモン情報を信用しできないと片付けるのに十分だと始めから決めてかかっているのです。つまり、Suzanne SomersとOprah Winfreyの面倒を見ている医者を全く無視して、彼らの処方を批判する医者の方が信頼できるというわけです。科学的根拠はどこにあるのかには一切触れずに、最後にはSuzanne SomersもOprah Winfreyもしょせんはショービジネス、信頼の置ける医学情報の提供者ではないと断定して片付けるという常套手段です。このような記事を書いているレポーターの姿勢こそが問題にされるべきです。
混乱して間違ったホルモン補充療法を続ける医者は信用をますます失うだけです。アメリカの医者が標準のホルモン補充療法として処方してきたプロベラとプレマリン(擬似黄体ホルモン+馬のホルモン)の組み合わせは患者が途中でやめてしまうという問題があることでよく知られていたものです(出血、体重増加、気分が悪くなる、体調を崩すなどが理由)。一方、市販のプロゲステロン・クリームの使用者は自分で納得してその結果に満足し、使い続けているのです。一般の医者に真の科学的情報を伝えずに混乱したままにしておくことによって、医学界は擬似ホルモンを使ったWHIの臨床実験で落とした信用を益々落とすことになるだけです。
[4] Decrease in Breast Cancer Rates Related to Reduction in Use of Hormone Replacement Therapy (Posted: 04/18/2007) http://www.cancer.gov/newscenter/pressreleases/BreastIncidenceDrop
Fertil Steril 1993 May ;59 (5):992-7
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